子供でもプライドは尊重しましょう
2016年12月6日 [ADHD 対応]
自我が芽生えてくれば、ちいさな子供でも子供なりのプライドがあります。たとえ親であってもそれを傷つけないようにしましょう。プライドを傷つけられると自信をなくし、反抗的になったり、他人を攻撃しがちになったりする原因となります。
かといって何でも子供さんの言うことを聞いていては、ただのワガママに育ってしまいます。
ではしつけもきちんとしつつ、更に子供のプライドを傷つけないためにはどのような事に気をつければよいのでしょうか?
「出来ないこと」をやらせないようにする
何でも早いうちに教えて、周りの子供さん達より上手に出来るようにしておきたい。それが自信につながる、という考え方もあるでしょうけれど、小さいうちは能力的に出来ないことも多いでしょう。
年齢的に無理なことをやらせようとすると、子供さんが精神的に追い詰められてしまう危険性があります。
2回ぐらいやらせてみて出来ないようだったら、執拗にやらせようとせず、しばらく時間をおくようにしましょう。
子供さんの意見も聞きましょう
親が決めたことに従わせるだけでは、家庭の中での自分の居場所が無いと感じてしまいます。上手に意見を言えないかもしれませんが、「あなたはどう思う?」「どうしたい?」と聞いて、出来ることは取り入れましょう。
自分の意見が取り入れられることで、家族の一員であるということを実感でき、家庭が自分の居場所であると認識できます。同時に親御さんに対する信頼感も生まれますので、むやみやたらと反抗することがなくなります。
兄弟と差別をしない
親子といえども相性があって、なんとなくこっちの子のほうがよりかわいく感じる、ということも否定できません。でも子供さんは皆、親から愛されたいと思っていますし、親の気持ちを敏感に感じ取りますから常に平等に接するよう、充分に気をつけてください。
特に赤ちゃんが生まれると上の子供さんは疎外感を味わいがちです。「赤ちゃんをなでてごらん。○○ちゃんになでてもらって喜んでいるね~」などと一緒に過ごす時間を作るようにしましょう。
またADHDの子供さんはどうしても手がかかるため、そうではない兄弟が「もっと自分のことも構ってほしい」と感じ、親の気を引くためにわざと弟や妹をいじめたり、親を困らせるような事をしたりしてしまうこともあります。ほめる、抱きしめる、なでるなどの愛情表現を大げさなほどたっぷりとすると良いでしょう。ある程度の年齢になると、そのような行為を恥ずかしがるでしょうから、そのときは家の中のみでするようにしましょう。
見本をみせて教える
大人からしたら当たり前のことでも、教えられなければ出来ない、わからないのは当たり前です。何をするにも最初はまず「こうやってやるんだよ」と見本を見せてから、やらせるようにしましょう。教えられていないことを「どうしてちゃんとやらないの!」と叱られては、子供さんは親御さんを信用しなくなってしまいます。
特にADHDの子供さんの場合は、根気良く何度もやって見せる必要があります。
嫌味をいわない
親だってひとりの人間ですから、何度言っても言うこと聞いてくれない子供さんに対して、つい嫌味を言ってしまいたくなることがあるでしょう。「毎日言っているのに出来ないなんて、ウチの子じゃないのかもね~」のような嫌味をしょっちゅう言われたら、素直に育てという方が無理でしょう。そしてそのように育てられると脳が満足できず、大人になって自分の家族に嫌味を言うようになる可能性が高いと言われています。また嫌味を真に受けて「自分はウチの子じゃないのかも」と思いつめてしまうこともあります。
嫌味は言った人も、言われた人も、近くで聞いている家族もみんな嫌な気持ちになるものです。特にADHDの子供さんは、将来のために自信をつけることが大切ですから、嫌味で自信を失わせないよう、気をつけましょう。
*参考:平山諭著『満足脳にしてあげればだれもが育つ!』(ほおずき書籍)
ADHDの子供さんが、将来社会でのびのびと暮らすためには、「やればできるんだ」という自信を持つことが必要です。
そのためにはプライドを傷つけないようにすることも大切ですから、親子であってもきちんとひとりの人間として接するように、心がけて下さい。
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