子供の問題行動にはどう対応すればいいの?
2015年3月31日 [ADHD 対応]

困った行動には理由があります
ADHDのお子さんに限らず、どんなお子さんでも「どうしてこんなことを言うのかしら・・・」と、親御さんが困るような言動をするものです。
そんな時、頭ごなしに「ダメといっているでしょ!」と叱りつけても改善はしません。お子さんなりに理由があってそのような行動をしているのです。特に小さなお子さんは、自分の気持ちを言葉で上手に表すことが出来ず、親を困らせるような行動をとるでしょう。また年齢にかかわらず、口下手なお子さんや、自信がなくて言いたいことを言えないお子さんもいるでしょう。普段は「良い子」なのにストレスが溜まって爆発することもあるでしょう。
「なぜこのような事をするのか?」を冷静に判断し、理由に合わせた対応をすることで、徐々に困った行動を減らす事が出来るでしょう。
問題行動には4つのパターンが!
お子さんの困った行動はたいてい次の4つのパターンのどれかに当てはまります。ひとつの理由だけではなく、ふたつの理由が重なっていることもあります。
親御さんだって、腹が立ったり悲しくなったりするでしょうけれど、子供のペースに巻き込まれることなく、上手に対応することが大切です。
*参考:トーマス・アームストロング著『ADHDの子供を救う50の方法』(柏書房)
パターン①<人の気を引きたい!>
自分に注意をむけてほしい時には、電話の最中に話かけてくるなど、子供は親がイライラするような行動をとります。大きな声を出して騒いだりするのもこのパターンです。
お子さんが話に割り込んで来たら「3分間だけ待ってね」と伝え、3分間はお子さんが騒いでも無視をして電話を続けます。3分で電話を終えて「良く待てたね!」とほめましょう。
時間を区切る→その時間は無視をする→ほめる、という方法をとることで、お子さんに「騒いでも無駄」「言うことを聞いたらほめてもらえる」ということを覚えてもらいます。
パターン②<自分を主張したい!>
自分には力があるんだ!と主張したい時には、まるで親を脅すかのように、テーブルの上のものを全部床に払い落としたりします。
そのような時は、まずは短い言葉で「物を落としてはダメ!」と注意をします。延々とお説教をするよりも、簡潔に短い言葉で注意をしましょう。そしてお互いが冷静になる時間が必要ですから、部屋の隅に椅子を持って行き、壁に向かってお子さんを3分間じっと座らせましょう。じっと座らせる時間は、年齢に応じて決めましょう。
そしてじっと座っていられたら、気持ちを切り替えてそれ以上叱らないようにします。
短い言葉で注意する→冷静になる時間と、罰を与えることで、主導権が親にあることを理解してもらいます。
*参考:シンシア・ウィッタム著・上林康子・中田洋二郎・藤井和子・井澗知美・北道子訳
『ADHDのペアレントトレーニング』(明石書店)
パターン③<仕返しするぞ!>
自分がないがしろにされていると感じたとき、無理な要求をしたりして親を困らせるような行動をとります。
やはりまずは短い言葉で「やめなさい」などと注意をします。そうして、やめたらすぐにしっかりとほめましょう。その時、さらに「あなたは素直でいい子だよ。大好きだよ」などと、ポジティブな言葉を掛けましょう。
更に問題行動の後だけではなく、日常的に「あなたは礼儀正しくて素晴らしいね」などと、肯定をし続けることが大切です。
パターン④<ヤケをおこしてやる!>
自分に自信が持てない時、心が満たされていない時、ワガママを言って親を困らせますが、実は本人も自分の身の置き場が無くて困っているのです。
そのような時は「ダメ!」と言っても、お子さんも自分でもどうしようもないのです。そうは言っても好き放題にさせておくわけにはいきませんから、まずは注意をして問題行動をやめさせましょう。
そのうえで「夕食は何が食べたい?」と聞いて、食べたいものを一緒に作る、赤ちゃんの時のアルバムを一緒に見るなど、お子さんの、そして親御さんの心も満たされることをしましょう。
*参考:堀内裕子・柴田美恵子著『発達障害の子とハッピーに暮らすヒント』(ぶどう社)
どのパターンでも、お子さんは「自分の存在を認めてほしい」と思っています。日頃から「お手伝いしてくれてありがとう」「今日も頑張って学校に行ったね。えらいね」などとほめることで問題行動は減らせると言われています。
ほめたつもりでも「お手伝いしてくれて、いい子だね」というような言い方では、「お手伝いをしない時の自分のことは、ママは嫌いなんだ」と受け取られることがあります。「○○をちゃんとするから、あなたが好き」というニュアンスではなく、「どんな時でも、あなたが大好き。あなたの味方だよ」ということが伝わるほめ方をするようにしましょう。
親御さんが子供に振り回されていては、お子さんは問題行動を起こせば自分の言い分が通ると覚えてしまい、ことあるごとに同じような行動を繰り返します。まずは親御さんが冷静に、毅然と対応して、してはいけないということを理解してもらいましょう。そのうえで問題行動を素直にやめたり、我慢できたりした時には充分にほめて、お子さんの存在を肯定することが大切です。
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