手遊びでADHDのお子さんにも落ち着きが!
2015年3月24日 [ADHD 対応]

じっとしているのが苦手なら・・・
ADHDのお子さんの場合、授業中などじっと座っていられない、ということも多いでしょう。出来れば授業の前に体を動かす時間を作ってもらったり、授業中に軽い体操などを取り入れてもらえたりすると良いのですが、難しいことも多いでしょう。
正直なところ、大人だって興味のない話をじっと座って45分間聞いているのは飽きてしまうでしょう。しかし、そうはいってもお子さんにはクラスのみんなと同じように授業を受けて欲しいとも思いますよね。
授業に集中できない時は、先生に相談の上、お手玉やゴムボールなどを握って手を動かすだけでも、先生のお話を聞き続けられるかもしれません。
電車の中などでも、あやとりや塗り絵などをしていれば、静かに乗っていることが出来るかもしれません。
お子さんに合った方法が見つかれば「ちゃんと座って授業を聞ける」「叱られずに電車に乗れる」と自信がつくでしょう。
*参考:トーマス・アームストロング著・松本剛史訳『ADHDの子供を救う50の方法』(柏書房)
触って理解するのは当然のこと
赤ちゃんが何でも舐めてしまって、慌てた経験のある親御さんも多いでしょう。指先の感覚が未成熟な赤ちゃんは、まずは何でも口に入れることで、それがどのようなものかを学びます。そしてだんだんと成長するにしたがって、手で触って確認をするようになります。小さいお子さんの場合、いろいろなものに触って情報を得るのは当たり前の行動です。目や耳からの情報だけで物事を理解できるようになるのは、その後です。
いつ頃から目や耳からの情報だけで理解できるようになるかは個人差があります。他のお子さんが教科書や黒板の文字や図だけで分数を理解できるとしても、お子さんによっては自分でハサミを持って折り紙を半分や四分の一に切らないと理解できない場合もあります。
手を使わないとなかなか理解できないお子さんの場合は、お家でおはじきを並べて足し算や引き算を勉強したり、お人形を動かしながら物語を読んだりして、理解できるようにしてあげると良いでしょう。
触られるのが苦手なお子さんにも
また「自分の手で触る」と「人から触られる」感覚には関連があります。人から触られるのが苦手で、親が髪をとかそうとしたり、着替えをさせようとしたりすると嫌がって逃げ回るお子さんがいます。そういったお子さんの多くは触られることも、触ることも苦手なようです。袋の中に形が見えないように積木などをいれて、袋に手を入れてそれがどんな形かを当てるゲームや、お子さんの背中に指で丸や四角を書いて何を書いたか当てる遊びなどをして、感覚を養うとよいそうです。
ただしお子さんが嫌がることを無理やりにやらせては逆効果です。お子さんが興味を持ってくれる遊びを探してください。
*参考:木村順著『育てにくい子にはわけがある』(大月書店)
手先が不器用なお子さんにも
手先が不器用でお箸で食事をするとボロボロとこぼすようなお子さんの場合、まずは手や指の感覚をトレーニングする必要があります。でもお箸を使う練習に集中するのは難しいでしょう。粘土遊びや、ライオンの顔を書いた紙に洗濯ばさみをたくさんつけてタテガミを作るなどの遊びで、握る・つまむなどが上手にできるような練習をすると良いでしょう。
反対にとても器用で上手に工作をするお子さんには、出来るだけ自由に好きなものを作る時間を与えることをお勧めします。

簡単手作りおもちゃ
お子さんが何に興味を持ってくれるかわかりませんし、ADHDのお子さんの場合は特にすぐに飽きてしまうことも多いでしょう。トレーニング用のおもちゃは、100円ショップで売っているものや家にあるものを工夫して作りましょう。タオルをふたつに折って両側を縫った袋に積み木を入れる、カラフルな洗濯ばさみや厚紙、折り紙、ゴムボールなど使えるものはいろいろあります。
また指相撲やおはじき、お手玉など昔からの遊びを紹介しているサイトもありますので、親子で一緒に遊ぶのも良いでしょう。
*参考:「あそびの大図鑑」
ADHDのお子さんはじっとしているのが苦手な方が多く、手を動かしている時の方が、じっとして聞いている時よりも人の話をきちんと覚えられるというケースもあるようです。
個人差があるので「これが良い」と断言できるものはありませんが、お子さんが落ち着ける方法を見つけられたら、お子さんの自信につながるでしょう。
また家族やお友達と楽しく遊びながら手先の感覚を養って行くことで、少しずつ集団生活にもなじめるようになるでしょう。お子さんが苦手意識を持たないよう、楽しく遊びながらトレーニングをして、上手にできた時は、しっかりとほめてあげましょう。
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