ひな祭りには【はまぐり】のパワーを再確認しましょう
2015年3月3日 [栄養豆知識]

ひな祭りのいわれ
今日3月3日はひな祭り。女の子のいるご家庭ではひな人形や桃の花をかざるなど、いつもより華やかな雰囲気かもしれませんね。
ひな祭りは平安時代の頃、3月の初旬に宮中行事として行われていた「上巳(じょうみ)の節句」が変化したものといわれています。これは男女問わず、紙や葉を人の形に切ったもので体をなでて穢れを移し、それを川に流して無病息災を祈るものだったようです。そのため今でも紙で作ったひな人形を川に流す「流し雛」が各地に残っているそうです。
それが室町時代には武家にも広がり日にちも3月3日とされました。さらには江戸時代に徳川幕府が定めた五節句のひとつとされ、このころから端午の節句は男の子の、桃の節句は女の子の成長を祝う行事となったようです。
参考:NTT東日本 大人の心得帳「ひな祭りのおはなし」
お祝いの食事には意味があります
ひなまつりの楽しみは美しいひな人形に加え、お祝いのごちそうですね。家庭や地域によっても違うかとは思いますが、定番メニューはちらし寿司に、はまぐりのお吸い物。そしてひなあられや菱餅、甘酒でしょうか?
ひなあられや菱餅は桃色・白・緑の3色に彩られていますが、これはそれぞれに意味があります。
桃色=「魔除け」を表す。解毒作用のある赤いくちなしを加えて着色。
白=「清浄・純潔」を表す。健康効果のあるひしの実を加える。
緑=「健康・新緑の生命力」を表す。強い香りで厄除け効果があるよもぎを加える。
黄色の錦糸卵にピンクの海老と彩りの良いちらし寿司は見た目の華やかさと春らしい彩りからひな祭りに良く食べられるようになったようです。
白酒と甘酒、ひな祭りに飲むのはどっち?
童謡「うれしいひなまつり」の中で、『少し白酒召されたか赤いお顔の~♪』と歌われていますが白酒はアルコールを含んだ「お酒」です。それに対して甘酒はアルコールをほとんど含んでいませんので、お子さんと一緒に召し上がる時は間違わずに甘酒を選んでください。
甘酒は酒粕に水やお砂糖を加えて作るものと、お米を発酵させて作るものの2種類があります。本来の甘酒はお米を米麹で発酵させたもので、アルコールを含んでいませんし、自然の甘さのみでお砂糖も加えていません。アミノ酸やビタミンB群を含む発酵食品で「飲む点滴」と言われるほど栄養豊富で、昔は夏バテ防止のために飲まれていました。
それに対して、日本酒を絞ったあとの酒粕に水や砂糖を加えて作るタイプは手軽に作れる反面、わずかながらアルコールが含まれていますし、甘味を付けるためにお砂糖を沢山加えます。
甘い物を摂り過ぎると血糖値をコントロールしきれず、気持ちが上下しやすいADHDのお子さんの場合はお砂糖が入っていないものにするか、少量にしておきましょう。

はまぐりは忘れずに
そしてひな祭りの食卓に欠かせない物がはまぐりのお吸い物ですね。はまぐりの旬が2~3月なので、ひな祭りの時期はまさに旬真っ只中です。
はまぐりは2枚の貝がぴったりと合い、他の貝とはそのように合わないことから夫婦が仲良く添い遂げることの象徴とされ、ひな祭りや結婚式にはまぐりのお吸い物が出されるようになったといわれています。
はまぐりにはアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています。タウリンと聞いて栄養ドリンク剤のCMを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そのためタウリン=元気が出る成分と思いがちですが、タウリンの一番の効果は体内に入った有害物質を排泄させる解毒作業を行う肝臓の働きを良くすることです。ADHDのお子さんは生活環境の中にある様々な有害物質に、少量でも敏感に反応する方が多く、それがADHD症状の一因になっていると考えられています。
またはまぐりに多く含まれている亜鉛には解毒作用に加え、精神安定作用、インスリンの分泌調整といったADHDのお子さんに役立つ働きがあります。
今の時期はスーパーなどの店頭に沢山並んでいますので、お吸い物に限らず、蒸したりパスタやスープの具にしたりして沢山食べましょう。蒸したときの汁に栄養が沢山出ているので、汁もお料理に使うと良いですよ。
またはまぐりに限らず、貝類は亜鉛やタウリン、タンパク質が豊富ですから、積極的に食べたいもののひとつです。
参考:J-medical 食材の栄養講座「はまぐり」http://www.j-medical.net/food/f-hamagri.html
楽しく過ごしましょう
普段と違うお祝いの日の食事は、食が細いお子さんやあまり食事に興味がないお子さんにとっては食べることの楽しさを学べる場でもあります。ご家族揃って、また親戚の方やお友達をお招きしてみんなでワイワイと食べれば、あまり得意ではない食材も食べられるかもしれません。
ただしADHDのお子さんは、甘いひなあられや菱餅を一度に沢山食べ過ぎないように気を付けましょう。
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