ADHDと栄養あれこれ“おせち料理”編
2015年1月1日 [栄養豆知識]
お正月はやっぱりおせち料理
あけましておめでとうございます。
皆様、どのようなお正月を迎えていらっしゃるでしょうか。
今年も、少しでも参考にしていただけるようにと考えながら情報をアップしていきますので、「そうだったのか!ADHD」をよろしくお願いいたします。
昔のように三が日はスーパーもレストランもお休みということはなくなり、今はコンビニもファミリーレストランもいつも通り営業しています。それでもやっぱり家族揃って、またおじいちゃんやおばあちゃんたちとおせち料理などの正月料理をいただくという方も多いと思います。
おせち料理は、数の子=子孫繁栄、海老の焼き物=腰が曲がるまでの長寿など、家族の健康や幸福を願う「縁起物」を詰め込んだものです。ユネスコの無形文化遺産に登録されている「日本人の伝統的な食文化」を代表する料理のひとつですから、その素晴らしさをお子さんに伝えていただきたいと願っています。
お餅はお雑煮で!
おせち料理とともに欠かせないお餅は、昔から神様に捧げる神聖な食べ物とされてきたものです。ところがお餅は血糖値を急上昇させやすい(=GI値が高い)ものなので、血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維を含むものと一緒に食べましょう。野菜や海老、鶏肉など具沢山の汁にお餅をいれたお雑煮がお勧めです。
またお餅と相性の良いきな粉は食物繊維やタンパク質が豊富で、ビタミンB群やミネラルも含んでいます。小豆も同じく食物繊維やビタミン群、ミネラルを含み、赤い色は脳の働きや健康を維持してくれるポリフェノールによるものです。
昔からお餅がきな粉やあんこと一緒に食べられてきたのは、おいしいからだけではなく、心身の健康に良いことを体験的に知っていたからなのでしょう。
栗きんとんに含まれる栄養は?
おせち料理をあまり好きではないお子さんでも、喜んで食べる方が多い栗きんとん。その輝く黄金色から豊かさを願ったものです。
甘くておいしいけれど、反面あまり栄養がなさそうに見えます。ところが栗やさつまいものビタミンCの量はマンゴーやパイナップルなどと同じくらいなのです。ビタミンCはストレスに対抗するホルモンを作るのに必要で、不足すると脱力感を生じてしまいます。
またミネラルの一種で不足しがちなカリウムも含まれています。カリウムには摂り過ぎた塩分を排泄して、体内でのバランスをとる働きがありますから、濃い味付けが多くなりがちなおせち料理に入っているのは、理に適っているのです。
昆布巻きでミネラル補給
昆布は「よろこぶ」にかけて一家発展の縁起物です。食物繊維も豊富ですし、カルシウムやヨウ素、鉄などのミネラルも豊富です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料となってタンパク質の合成を促進したり、お子さんの発育を助け、神経細胞の発達にも欠かせません。
お味噌汁にわかめをいれてもひとり分で10g程度と海藻はたくさん食べにくいものですが、昆布巻きにすると沢山食べることが出来ます。また昆布巻きの芯にはニシン、鮭など脳に必要なDHAやEPAを含むお魚が使われていますから、お正月だけではなく普段の食事にも取り入れたいものです。
菊花かぶや紅白なますでクエン酸補給
おめでたい紅白の彩りの菊花かぶや、大根と人参の紅白なます。他にもお酢でしめたコハダなど酢の物もお節料理には欠かせません。
お酢に含まれているクエン酸は、食べた糖質や脂質をエネルギーに変える際になくてはならないものです。クエン酸をたっぷりとるとエネルギーがスムーズに作られて、だるい感じを解消し、集中力も高まります。
昔からすっぱいものは身体に良いと言われている理由がここにあります。普段は酢の物をあまり好まないお子さんでも、キレイな菊花かぶなら食べてくれるかもしれませんね。
また、かぶや大根には消化酵素が豊富にふくまれており、ついつい食べ過ぎてしまうお正月に胃腸の働きをサポートしてくれます。どちらも冬が旬の野菜ですが、一年中見かける大根に比べてかぶの料理は食べる機会が少なくなりがちです。葉も一緒に炒めたり、シチューの具にしたりしても甘味が出て美味しいものです。様々なかぶのレシピを探して挑戦してみてください。
出来れば薄味に
昔は冷蔵庫もなく、三が日の間食べ続けるおせち料理は保存のために濃い目の味付けになっています。お子さんだけではなく家族全員で食べるものですから、手作りをするならレシピに書いてあるよりも少し薄めの味付けにした方が、健康的ですね。
一年に一度のおせち料理ですから、それぞれのお料理のいわれなどを話しながらおいしく楽しく召し上がってください。
*参考:株式会社紀文食品「おせち料理大辞典」
http://www.kibun.co.jp/knowledge/shogatsu/osechi/
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