★ADHDの女の子も、意外と多い?
2016年3月15日 [ADHD 症状 特徴]

ADHDは男の子に多いといわれていますが・・・
一般的にADHDは男の子に多いといわれています。親御さんが「もしかしたらADHDでは?」と思うきっかけになる行動として「順番を待てない」「じっと座っていられない」などの多動性・衝動性に関することが多いのではないかと思います。
それに対して女の子のADHDは多動よりも不注意型が多いといわれており、小さいときにはわかりにくいため、ADHDと周囲が気づかないだけで、実は意外と多いという説もあります。
ADHDのチェックリストは混合型を想定して作られているものが多いので、多動性や衝動性がない場合、ADHDではないと判断される可能性もあるのです。
*参考:宮尾益友知監修『女性のADHD』(講談社)
ADHD症状の現れ方
不注意型のADHDの場合、小学校入学前には「少しおっちょこちょいな子」または反対に「少しぼーっとしたところのあるおとなしい子」という程度にしか周囲の大人も感じないでしょう。しかし学校に入って、さまざまなルールの中で生活するようになると「遅刻が多い」「人の話をちゃんと聞いていない」などといわれることが出てきます。それでも、程度によっては「怠けがちな子」と思われても、目立つ問題行動がないためADHDだとは疑われないままに成長をするケースが多いようです。
女性は誰でもホルモンバランスの変化によって感情に起伏が生じがちですが、ADHDの場合は特にホルモンバランスの影響を強く受ける人も少なくないようです。そのため、子供の頃は目立たなかったADHD症状が初潮を迎えた後からだんだんと強く現れることもあります。
*参考:榊原洋一監修『これでわかるADHD』(成美堂出版)
女の子のADHDの特徴
女性のADHDの代表例としてよく取り上げられるのが「片付けられない」ということです。好奇心旺盛でさまざまなことに興味を持ち、興味を持ったことに関するものはとにかく買い集めてしまうので物が増えるばかり。ルーズと思われがちですが、実は完璧主義なところがあり、片付けるなら完璧に!と思うものの、先延ばし癖でいつまでたっても片付かない。このような姿が典型とされています。
しかし、ほかにも複数の作業を平行して行う料理が苦手、興味のあることに夢中になって夜更かしをしてしまい寝坊や遅刻が多い、思ったことをそのまま口に出してしまい他人を傷つけたり嫌われたりする、自分の世界に没頭して周囲の人たちとなじめないなどさまざまな問題を抱えて「自分はダメなんだ」と悩んでいる方が多いのかもしれません。
女の子だからこその暮らしにくさ
部屋を散らかしていても、男の子と比べて女の子の場合は「女の子なのに!」と非難されがちです。同じことをしても女の子のほうが「暮らしにくい」「つらい」と感じやすいことでしょう。
子供の頃から「女の子なのに**出来ないなんて!」といわれ続け、さらに大人になったら「片付けられない女」と呼ばれ、さらに結婚をすると夫や子供からも「ちゃんとしてよ!」といわれてしまいます。すべて女性は片付けや家事がきちんと出来るもの、しっかりとやるべきものという考え方によるものです。
早いうちからトレーニングを
かといって男女平等、家事が苦手な女性がいてもいいじゃないかと言っていても暮らしにくさは改善されません。
出来るだけ早いうちに周囲の大人が、本人が抱えている「暮らしにくさ」に気づくことが大切です。
子供の頃から時間を決めて片づけをする、優先順位やいつまでにやらなければならないかを書き出して見えるところに貼って対応するなど、ADHDの方が苦手な部分を改善する方法を習慣にしてゆけば、多少なりとも本人の悩みを軽減できることでしょう。
詳しくはこちらをご参照ください
詳しくはこちらをご参照ください
→ ADHDの症状を軽減するために
→ みだしなみを整えるのが苦手なワケは?
→ ADHDの子供の成功体験を増やそう!
もちろん良いところもたくさん!
社会のルールの中では問題も多いADHDの女の子ですが、好奇心旺盛で、個性があり、興味を持ったことには時間を忘れて没頭しますので、共感してくれる仲間をみつけたり、適した職業についたり出来れば、長所をしっかりと活かすことができるでしょう。
そのためにもまず本人が自分の長所と短所をきちんと自覚できるよう、周囲の大人の手助けが必要です。
ADHDは男の子に多いものと思い込んでいると、女の子のADHDを見落としてしまうかもしれません。「暮らしにくさ」からくる本人の悩みは女の子のほうが大きいともいえます。
子供さんをしっかりと観ることで、早く気づき、必要に応じて専門家や医師のサポートも受けて、子供さんの悩みを軽減してあげましょう。
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