言うことを聞いてくれない子供への接し方
2015年8月11日 [ADHD 症状 特徴]

ちっとも言うことを聞いてくれない!
ADHD の子供の特徴の中には、気持ちが向かないことには集中できない、そして何かに集中すると他のことが目に入らないということなどがあります。
この特徴が日々の生活の中では、翌日の授業の準備をしない、道路に飛び出すなど、親御さんとしては「ちゃんとやりなさいっ!」「飛び出しちゃダメって何度言ったらわかるのっ!」と叱りたくなることを次々と生み出してゆきます。口では叱っていても、心の中では泣き出したい気持ちでしょう。
毎日同じことを何度も言っているのに、どうして言うことを聞いてくれないの?どのように注意したら言うことを聞いてくれるの?と思わずにはいられないことでしょう。
「言い換え」をしてみましょう!
親が泣きそうな気持ちでいるのに、当の本人が叱られてもシュンとすることなく平気な顔で遊んでいると、どうしていいかわからなくなってしまいますよね。
そんなときに役立つのが、ADHDの子供の特徴にあわせた「言葉の言い換え」です。ADHDの場合、私たちがすんなりと理解出来ることでもピンと来ないこともありますので、よりわかりやすい言葉に言い換えて伝えてみましょう。
具体的な数字を使いましょう!
ADHDの子供の場合、漠然としたことを理解することが難しいケースが多くあります。そのような時は単に「まってなさい!」というのではなく、時計を見せながら「今3時だよね。5分だけ待っていてね」というように具体的に伝えます。
同じく「いつになったら宿題やるの?!」というよりも「何時から始めるの?一時間ぐらいかかるよね。12時にはお昼ごはんだよ」と数字で表しましょう。
「ダメ!」よりも「○○しましょう」
また何をすればいいかも具体的に伝えた方が、理解しやすいでしょう。「飛び出しちゃダメ!」というよりも「必ず立ち止まって左右を確認してね」と「するべき事」を伝えましょう。
こちらの気持ちも伝えましょう
子供は誰でも親の関心を自分に向けたいと、無意識に思っています。ですから「ケンカしちゃダメ!」というのではなく、「仲良く遊んでくれたら、お母さんうれしいな~」と優しく伝え、仲良くすると親が喜ぶ(=自分に関心を持ってくれる)ということを伝えましょう。
親を困らせる行動の中には、困らせることで親から注目されたいという意識が潜んでいることもありますから、良いことをすると親の関心を得られるということを覚えてもらうことが大切です。
ご褒美も利用しましょう
ご褒美は必ずしも「物」である必要はありません。「5分でパジャマに着替えられたら、好きな絵本を読んであげるよ」など子供の喜ぶことでもよいでしょう。もちろん「30分で宿題終わらせようね。終わったらイチゴがあるよ」と物でも良いのです。
まるでご褒美をエサに釣っているよう、と抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、上手に利用すれば子供の行動を改善することもできます。宿題を終わらせたからといって無表情で「はい、イチゴ」と渡すだけでは、すぐにご褒美の効果がなくなってしまいます。本当の「ご褒美」は「わあ、ちゃんと出来たね~。昨日よりも早く出来たんじゃない?すごいねえ!じゃあ一緒にイチゴ食べようね!」という親の笑顔とほめ言葉ですから、それをお忘れなく!
*参考:シンシア・ウィッタム著、上林靖子他訳『ADHDのペアレントトレーニング』(明石書店)
一日何度でもほめましょう!
毎日同じことを繰り返す生活のなかで、ついつい子供の行動をあたり前のこととして見過ごしてしまいがちです。でも、子供の行動を直してゆくには何よりもほめることが大切です。言葉だけではなく笑顔を見せ、子供の年齢に合わせてギュッと抱きしめる、頭をなでる、ハイタッチをするなどスキンシップも加えましょう。
どんな小さなことでも、昨日と同じ事でも、ちゃんと出来たら「えらいね!」「さすがだね!」と一日に何度でもほめましょう。それが子供の自信となり、出来ることがひとつずつ増えていくのです。
これらの言い換えや、何度でもほめることはADHDの子供だけではなく、どの子供にも役立ちます。
もちろんほめることは大切ですが、危険なことなどをしたときには毅然として言い聞かせることも必要です。ほめる=叱らないではありません。ただし、頭ごなしに叱るのではなく、具体的にどうすればいいのかをきちんと理解できるように伝えましょう。
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