ADHDの原因は?
2015年7月14日 [ADHD 症状 特徴]

どうしてADHDになるの?
ADHD の原因のひとつとして、脳の前頭葉という部分の働きの偏りや、脳内での情報のやりとりに関わる神経伝達物質の不足などがあるとされています。
以前は、ADHDはほぼ遺伝によるものと考えられていましたが、最近では遺伝要因が大きいものの、環境要因も加わっているという考え方に変わってきています。
親のしつけや育て方は、もちろん全く関係ありません。
*参考:杉山登志郎著『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)
環境要因ってどんなもの?
ADHDの原因はさまざまな要素が複雑に重なっていると考えられており、コレが原因です!と特定できるものではありませんが、環境要因としては食事、アレルギー、有害物質などがあげられます。
食事も関係あるの?
脳のエネルギー源は砂糖ということを聞いたことがあると思います。しかし情報伝達や感情のコントロールに関わっている脳の神経細胞をしっかりと活動させるには十分なタンパク質や、ビタミン・ミネラルが必要なのです。甘い物や精製度の高い穀物(白米、小麦粉など)などの糖質に偏った食生活は、ADHD症状を悪化させることが分かっています。
また朝食抜きの習慣もADHD症状を悪化させると言われています。朝食をきちんと摂らないと前日の夕食時から当日の昼食時までの空腹時間(=低血糖の状態)が長くなり過ぎ、そこで糖質を多く含む炭水化物や甘い物を食べると血糖値が急上昇します。この低血糖から高血糖へ、そして また急激に低血糖へという血糖値の乱高下は、精神状態をも乱高下させてしまいます。
夜更かしや、夜遅い時間の食事は、翌朝起きられない、朝に食欲がないといったことの原因となりますので、規則正しい生活リズムも大切です。
特定の食品にアレルギーがある場合は、それを避けるだけでも症状が軽減するとも言われていますが、アレルギー物質の特定は難しい作業なので専門家の指導のもとで行うと良いでしょう。
詳しくはこちらをご参照ください→ 生まれつきの問題があっても栄養で軽減できる
家庭内に有害物質なんて無いはず?
水銀やカドミウム、ヒ素、鉛などの重金属や、フッ素、建築材料、殺虫剤、農薬などに含まれている化学物質など、多くの物質がADHD症状の悪化に関わっていると言われています。
しかし家庭内に水銀やヒ素が存在するのでしょうか?
まずは水銀ですが、現在はほとんど使われていないものの、かつて(1970年代がピーク)虫歯の治療に使われていたアマルガムという詰め物には水銀が含まれています。母親の口の中のアマルガムから少しずつ水銀が溶け出し、胎盤を通して子供の体内に入り込むと言われています。
(しかしアマルガムを外そうとすると、外す時にかえって多くの水銀を吸い込んでしまうことがあるため、慎重な対応が必要とされています)
また鉛に関しても、新しい水道管は問題ありませんが、古い建物で鉛を使った古い水道管が使われている場合は鉛を水と一緒に体内に取り込んでいる可能性があります。
他にも鉛を使った古い塗料が剥げたものを吸い込むことで鉛を取り込んでしまうこともありますし、輸入品のおもちゃの塗料に鉛が含まれていて回収されたこともあります。
ADHDの原因となる有害物質は多数ありますが、なかでも水銀と鉛は影響が大きいとされていますので、特に注意が必要です。
詳しくはこちらをご参照ください→ ADHDを引き起こす身近な有害物質
他にも様々な有害物質が!
フッ素は虫歯を予防する成分ですから、配合されているハミガキを使ったり、歯科で塗布してもらったりすることも多いでしょう。しかしこのフッ素もADHDの原因のひとつとされています。
神経細胞にダメージを与えて子どもの脳の発達に悪影響を及ぼす、免疫力を下げてアレルギーを引き起こすなどの危険性があるといわれています。
虫歯予防に役立つものではありますが、ADHDの子供の場合はフッ素が含まれていないハミガキを使うなど、避けた方が安心でしょう。
またテフロン加工のフライパンを使っている方も多いと思いますが、テフロンという名前は商標であり一般名はフッ素樹脂です。通常の使い方をしていれば安全とされていますが、空焚きをするとフッ素樹脂が分解されて毒性のあるガスが発生することが分かっていますから、注意書きをしっかりと読んで、正しい使い方をしてください。
加えて、タバコの煙(受動喫煙)や殺虫剤、建材に含まれている接着剤、有機リン系の農薬などもADHD症状を悪化させると言われています。
更には、広く使われている塩素系の漂白剤、カビ取り剤、香水、芳香剤、柔軟仕上げ剤、マニキュア、ヘアスプレーなどに含まれているキシレン、トルエン、フタル酸エステル、塩素などは、解毒を行う肝臓に過度の負担を掛けたり、内分泌系のバランスを崩したりするものとされています。
これらのすべてが子供に悪い影響を与えるとは限りませんが、一時的に使うのをやめてみてADHD症状が軽減する場合は、避けた方がよいでしょう。
詳しくはこちらをご参照ください→ 鉛やフッ素、たばこの煙とADHDとの関係
はっきりとした理由はわかっていませんがADHDの子供は一般に有害物質を解毒する力が弱いと考えられています。同じ量の有害物質に接しても、解毒力が弱い分だけその影響を強く受けてしまうので、出来るだけ有害物質に接する機会を減らす事が大切です。
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