ADHDの人の仕事の進め方
2015年6月23日 [ADHD 症状 特徴]

ADHDの特徴
ADHDの人の多くは発想豊かなアイディアマンですが、その反面、ケアレスミスが多い、忘れっぽい、遅刻が多いなど仕事をするうえでマイナス評価を受けるようなことも多いでしょう。
ひとくちにADHDと言っても、千差万別、ひとりひとり特徴が違いますので、まずは自分が苦手なことをきちんと把握したうえで、それをカバーする方法を考えましょう。
「うっかり」を無くしましょう
一般的にADHDの人は目の前のことに夢中になってしまい、先のことを失念してしまいがちです。今日やるべきこと、今週やること、今月やることをそれぞれカレンダーに書き込むなど一覧できるようにして目に付くところに貼っておき、ひとつ仕事をするたびにそれを確認するようにするなど、工夫が必要です。
また毎月やらなければならない書類作成などについては、わかりやすいように図を加えるなどした「自分用仕事マニュアル」を作って、ミスなく効率的に作業できるようにするとよいでしょう。
特に集中力が必要な仕事をしなければならない時は、気が散らないように空いている会議室などを使わせてもらえるよう、上司に頼んでみることも良いでしょう。その時は「会議室を使わせてもらえれば、ミスなく2時間で資料が作れます」というように、具体的なメリットを伝えることをお忘れなく。
*参考:星野仁彦著『発達障害に気づかない大人たち』(祥伝社)
スケジュール管理はぬかりなく
ADHDの人の特徴のひとつに「理想が高い」ということがあります。仕事用の資料ひとつとっても、いろいろと工夫を凝らし、何度も作り直してしまいがちです。そのことは素晴らしいのですが、締切りに間に合わなければ何の意味もありません。まずは提出期限に間に合わせることが最優先です。提出期限から逆算をして、どの日にどこまで作業を進めておかなければならないかを書き出して目に見える表にして、それに則って仕事を進める習慣を付けましょう。
さらに仲の良い同僚にお願いをして「明日までの書類は出来てる?」と声をかけてもらうと良いでしょう。ただしお願いをするばかりではなく、自分が得意な仕事は手伝う、たまにランチをごちそうするなどの「お返し」もきちんとしましょう。
安請け合いは禁止です
何とか出来るのでは?と、具体的なスケジュールを考えずに、出来る量以上に仕事を引き受けてしまいがちなこともADHDの人の特徴です。迷ったときは「確認してお返事をします」と答えて、安請け合いをしないように気を付けましょう。
一方的に「コレも頼むよ」と言われた時でも「今はAとBの案件を優先して進めていますので、その後で良ければ出来ますが、明後日までというのは難しいです」などと実際の状況を答えられるようにしましょう。断ることは苦手かもしれませんが、引き受けておいて間に合わないことの方が相手に迷惑をかけるということをきちんと認識しましょう。
利用できるものは使おう
仕事の場面だけでなく、家庭の中でも子供の学校の提出物や行事、友人との約束などもカレンダーなどに書き込んで毎日確認しましょう。
カレンダーに書き込んだり、スケジュール表を作ったりと、やらなければならないことは沢山ありますから、携帯電話やパソコンのカレンダー機能を使い、出かけるときには出発時間にアラームが鳴るようにしておくなど、利用できるものはどんどん使って弱点をカバーしてゆきましょう。
家事でも食器洗浄機や乾燥機付き全自動洗濯機などを利用出来ると、気持ちにゆとりができるでしょう。
ただしADHDの人の場合、デジタル機器や家電に凝ると次々と新型の物が欲しくなって、買っただけで満足してしまうケースも少なくないようです。クレジットカードは使わない、買う前に必ず家族に相談するなど、あらかじめ防止策を講じておきましょう。
休憩・ストレス発散も忘れずに
やらなければならないことは多く、いろいろと気を付けて仕事や家事をしているとどうしても疲れてしまいます。
ADHDの人は夢中になると頑張り過ぎてしまいがちですから、昼休みにタイマーを掛けて15分程度昼寝をする、空き時間にストレッチをしたりひとりになってクールダウンしたりする、自分にあったストレス発散法を探して時々実行するなども必要です。
また心の健康にはビタミン・ミネラルをはじめとするさまざまな栄養素が必要ですから、バランスの良い食事をするか、難しい場合にはサプリメントなどを利用して、ストレスを溜めこまないように気を付けてください。
*参考:櫻井公子著『どうして私、片づけられないの?』(大和出版)
ADHDの人の場合、他人との距離感をつかむのが得意ではないうえに、ADHDを理解していない人たちからは「やる気がないのでは?」などと誤解されがちです。まずはとにかく明るく元気にはっきりと挨拶をしましょう。それだけでもあなたの印象がぐっとよくなり、よりよい人間関係づくりに役立ちます。
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