ADHDとビタミンB群の関係
2015年8月25日 [ADHDと栄養]

カラダは毎日生まれ変わっている!
「新陳代謝」という言葉を聞いたことがありますよね?身体で新しい細胞が作られ古いものと入れ替わることで、私たちは成長したり、機能を維持したりしています。この代謝のスピードは部位によって違っていて、腸の粘膜の細胞は3日程で、骨は遅くて2年程で入れ替わるといわれています。つまり現在のあなたの身体は2年前とは完全に変わっているのです!そしてその新陳代謝を司令する神経も、入れ替えるためのエネルギーも、細胞そのものも全て食べたもので賄われています。
あなたのカラダは、あなたが食べたもので出来ています(=だから食事内容には気を付けましょう)」というようなことを、耳にしたことがあるかと思います。その時にあなたはどのようなことを考えましたか?人それぞれ思い浮かべることは違うでしょうけれど、多くの方々がイメージすることは、カルシウムは骨や歯のために、たんぱく質は筋肉や内臓のために、鉄は血液のために必要だよね?など、身体機能に関する栄養のことではないでしょうか?
もちろん、それらはとても大切ですが、それ以外にも頭を回転させたり、気持ちを安定させたりするための栄養も必要ですよね?ところがそこまで考えて食事をしている方はあまり多いようではありません。
カラダのための栄養だけで大丈夫?
現代社会は生活が便利になってカラダを使うことは減り、反対に情報過多などで精神的なストレスは増えています。それなのにカラダの栄養にばかり気を配って、アタマやココロの栄養が不足すると・・・大人も子供も落ち着きがなくなったり、反対に落ち込んだり、脳の情報伝達がスムーズにいかなくなったりと、様々な問題が生じてしまいます。
アタマやココロの元気に欠かせないビタミンB群
ビタミンB群とよばれるグループには、良く聞くビタミンB1やB2だけではなくナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチンと8つのビタミンがあり、主として次のような働きがあります。
<ビタミンB1>
食べたものからエネルギーを作り出す。
神経伝達機能を働かせる。(不足するとイライラしたり集中力が低下したりする)
<ビタミンB2>
食べたものからエネルギーを作り出す。
成長や細胞の再生を促す。不足するとイライラしたり記憶力が低下したりする)
<ナイアシン>
食べたものからエネルギーを作り出す。
脳神経の働きを助ける。(不足するとイライラ、興奮しやすい、不眠、不安になる、忘れっぽいなどの症状が現れる)
<パントテン酸>
食べたものからエネルギーを作り出す。
神経組織の生成。(不足すると怒りっぽくなったり神経質になったりする)
アセチルコリン(自律神経伝達物質)の生産。(不足するとやる気がでなかったり、記憶力が低下したりする)
<ビタミンB6>
食べたタンパク質の利用に必要不可欠。
GABA(神経伝達物質のひとつ)の合成。(不足すると興奮したり、不安になりやすくなる)
<葉酸>
赤血球の生産。
細胞分裂とDNAの合成に必要不可欠。
脳機能の維持。(不足すると記憶力が低下する)
<ビタミンB12>
赤血球や白血球の生産。
神経系を正常に働かせる。(不足するとゆううつ、無気力、記憶力や 集中力の低下などの症状が現れる)
葉酸の再利用を助ける。
<ビオチン>
食べたものからエネルギーを作り出す。
神経機能を正常に保つ。(不足するとゆううつ、不眠、不安感などの症 状が現れる)
これら8つのビタミンがお互いに助け合いながら働いています。ビタミンB群といえばエネルギーを作り出す働きが注目されがちですが、アタマやココロの健康維持に欠かせないものなのです。
実際、ナイアシンを摂取することでADHDの人に落ち着きが出たという報告もあります。
*参考:福井透編著『薬剤師がすすめるビタミン・ミネラルの摂り方』(丸善株式会社)
栄養はお薬とは違って、自分で選んで食べることが出来て、同じものを大量に食べ続けない限り「副作用」もありません。「改善したい」と思うことがあれば、まずは必要な栄養が足りているかを確認してみると良いでしょう。
特に好き嫌いがある方は、不足している栄養があるかもしれません。また食が細いお子さんの場合は、栄養のバランスが良くても量が足りていないこともあるでしょう。そのような場合はサプリメントで補うことも、ひとつの方法だと思います。
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