ADHDの子供のための栄養補給の仕方<まとめ>
2015年2月27日 [ADHDと栄養]

ADHDは栄養コントロールで改善する?!
増え続けていると言われているADHDの子供たち。他の人とのかかわり方のトレーニング、忘れ物を減らすための工夫、親御さんの対処法のトレーニングなど、少しでも暮らしやすくなるよう、様々な方法が取られています。
それらと一緒に実行してほしいものが、栄養のコントロールによる対応です。わたしたちの記憶や感情などは、脳内の神経伝達物質によって作り出されるものです。数多くの種類がある神経伝達物質は、それぞれに異なる働きがあり、どれが活発に働くかは、食事の内容に大きく左右されるのです。
ADHDのお子さんにとって特に必要な栄養素や、摂り過ぎに気を付けたい栄養素があります。それらに気を配ることによって、ADHDの症状が劇的に改善する可能性があるのです。
《ステップ1 》 タンパク質を積極的に食べましょう
神経伝達物質の主原料はアミノ酸や、アミノ酸が数個連結したペプチドです。これらは食べたタンパク質を分解して作られるものです。そのためタンパク質をしっかりと食べないと、神経伝達物質の原料が不足してしまいます。
肉や魚、大豆製品はしっかりと食べましょう。
タンパク質をアミノ酸などに分解をして、そこから神経伝達物質を作り出す工程では、ビタミンやミネラルも必要不可欠です。タンパク質と一緒に野菜や海藻なども摂るように頃掛けてください。
*牛乳や小麦に含まれているタンパク質に対するアレルギーを持っている方は、それらは避けるように気を付けてください。
《ステップ2 》 精製された炭水化物や甘いものは減しましょう
精製された炭水化物とは白米や小麦粉のことで、小麦粉から作られたパンやうどん、パスタなども含みます。炭水化物もお砂糖も体内でブドウ糖に分解されてエネルギー源となりますが、ブドウ糖に分解されるスピードがとても早いため、血糖値を急上昇させてしまいます。そうすると身体は慌てて血糖値を下げるインシュリンという物質を沢山だすので、今度は血糖値が急激に下がってしまいます。
脳のエネルギーはほとんどがブドウ糖ですから、脳はブドウ糖の量に敏感に反応します。血糖値が大幅に上がったり下がったりすると、気持ちもアップダウンして不安定になってしまいます。
炭水化物や砂糖は、食物繊維と一緒に食べると身体に吸収されるスピードがゆっくりとなるため、血糖値の急上昇を防ぎます。食事は炭水化物に偏らず、食物繊維を含む野菜も一緒に食べましょう。甘いおやつやジュースなどは摂り過ぎないように、気を付けましょう。
《ステップ3 》 良い腸内環境を作りましょう
せっかく栄養に気を配っても、腸が健康でなければせっかく食べたものをきちんと消化吸収することが出来ません。
また腸は食べたものを消化吸収するだけではなく、全身の免疫を担っていたり、脳とも深く関わりあっていたりする大切な場所です。
腸を健康に保つために食物繊維を多く含む野菜をしっかりと食べ、毎日決まった時間に排便する習慣を身につけたいものです。
《ステップ4 》 青魚を食べましょう
青魚に多く含まれているDHAやEPAなどの脂質には、脳内で情報伝達を行なっている神経細胞の細胞膜を柔らかくする働きがあります。神経細胞が柔軟だと、情報の受け渡しがスムーズに行われるため、記憶力や学習能力が高まります。
またDHA・EPAには精神を落ち着かせる働きがあり、不足するとイライラややる気が出ない、攻撃性が高まると言われています。
《ステップ5 》 トランス脂肪酸を避けましょう
トランス脂肪酸とは加工によって、通常はサラサラしている植物油をラードなどのように固形化したもので、代表例はマーガリンです。マーガリンを使ったクッキーやケーキなどにも当然含まれていますし、業務用の揚げ油にも広く使われています。トランス脂肪酸を摂り過ぎると心臓病になりやすくなる、として海外では使用が規制されています。またADHDやアレルギー症状の一因であるともされています。
日本人は比較的摂取量が少ないとされていますが、避けた方が良い油といえます。
《ステップ6 》 必要であればサプリメントの使用も検討しましょう。
例えば魚嫌いのお子さん、特定の食品にアレルギーがあるお子さん、食が細くてなかなか食べてくれないお子さんなど、食事だけで必要な栄養素を過不足なくとるのは
難しい場合があると思います。また食事を用意する方が体調不良で「今日はコンビニ弁当で」という日もあるでしょう。
そんな時は補助的にサプリメントを使用するのも、ひとつの方法です。お子さんでも摂りやすいお菓子に似た、噛んで食べるタイプの物もありますの、上手に取り入れましょう。
*飲み込むタイプのサプリメントはお子さんの喉に詰まると危険ですので、大人の方が付き添って飲ませてください。
栄養補給で脳を元気に!
脳の神経細胞は、年齢にかかわらず増やせることが分かっています。生まれた時の状態がその人の知的能力を決定するのではありません。
適度な運動(ランニングやダンスなど)をする、充分に睡眠をとる、新しいことに挑戦する、しっかりと自分の頭で考える、そして脳に必要は栄養を摂る。このような生活を続けることで、ADHD症状の軽減だけではなく、ご家族全員の脳を元気にすることが出来ます。脳が元気なら勉強も仕事もスムーズに進み、精神的にも安定した状態を保つことが出来ます。
あなたの脳は、あなたが食べたもので作られているのですから。
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