再確認!身体に良い!と言われる食品はやっぱりスゴイ!
2015年1月30日 [ADHDと栄養]
前回に引き続き、長い間「身体に良い」と言われ続けている食品についてお話しします。
オリーブオイルは「油」なのに身体に良いの?
なんとなく油=良くないものだから出来るだけ減らしたい、と思っている方も多いと思います。でも身体にとって油は必要なものです。大切なのは「良い油」を摂ることです。
油脂は細胞の膜部分や、ホルモンの原料となって、細胞の機能維持や、身体の様々なバランスの維持をしています。
良質な油を多く含んでいる細胞膜は柔軟性が高くて良い働きをし、反対に質の悪い油を多く含んでいる細胞膜は働きも悪いと考えられています。脳細胞や神経細胞の細胞膜がきちんと働かないと脳内での情報伝達がきちんと行われず、ADHD症状につながると考えられています。
ADHD症状の軽減に役立つ油脂はDHAを含む魚油ですが、お料理などに使うことは難しいですよね。普段お料理によく使っているサラダ油は、種類にもよりますが一般的にはリノール酸という成分が多く含まれています。リノール酸も健康に役立つ油ですが、ADHDのお子さんの場合は摂る量をへらした方が良いと考えられています。
代わりに使ってほしいものが、リノール酸の含有量が少ないオリーブ油やごま油、しそ油、アマニ油などです。なかでもオリーブ油は風味にクセが少なく、意外と和食にも合いますし、価格も手ごろですから、パスタやサラダだけでなく様々なお料理に使ってみて下さい。
オリーブ油に限らず、どんな油でも加熱しすぎると劣化(=酸化)してしまいますので、炒め物などは手早く作って下さいね。
良い油、悪い油については2014年12月5日の「なぜキレる?なぜ不安になる?ADHDに悪影響を及ぼす食べ物とは?<その1>」にも書いてありますので、あわせてお読みください。
*「なぜキレる?なぜ不安になる?ADHDに悪影響を及ぼす食べ物とは?<その1>」
歴史が証明するニンニクのちから
元気が欲しいときにはニンニクたっぷりの料理を食べると良いですよね。その昔、ピラミッド建設の際に労働者にニンニクが支給された、昔のヨーロッパでペストが流行った時にニンニクを食べていた人達は感染しなかった、など様々な逸話があります。
ニンニクには元気をつけるだけではなく、免疫力を高める、血行を良くする、肝機能を助けるなどの働きがあり、さらには抗酸化力も高いのです。
ADHDのお子さんでは、免疫力が十分でないことが多く、また水銀やダイオキシンに代表される様々な有害物質の影響を受けやすいとされています。体内に有害物質が入り込んだ時、それを分解するのは肝臓の役割です。
ニンニクは免疫力を高める、肝機能を助ける、抗酸化作用がある、とまさに三拍子そろった食品です。
ただし生のニンニクは刺激が強くかえって胃腸の調子を悪くすることがあります。加熱して食べる、一度に食べ過ぎない、空腹時は避けるといったことに気を付けましょう。ニンニクが苦手な場合は、サプリメントで摂る方法もあります。
*参考:ジュリー・マシューズ著・大森隆史監修・小澤理恵訳「発達障害の子どもが変わる食事」(青春出版社)

見直されている発酵食品の働き
麹を使った食品が流行って発酵食品の良さが注目されていますね。納豆、漬物、みそなどの発酵食品は、発酵させる前の食品と比べて栄養価が高まったり、栄養素が吸収されやすい状態になったりしていますので、育ちざかりのお子さんの食事に取り入れたいものです。
また発酵食品の多くは腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える働きを持っています。
腸内環境を整えると、おなかの調子が良くなるだけではなく、免疫力が高まる、さらには思考や行動、学習や記憶にまで良い影響が期待できます。そういった素晴らしい働きが分かってきたため、発酵食品ブームになっているのです。
一般的にADHDのお子さんは腸の働きが弱く、そのことが免疫力の低下など様々な問題にもかかわっています。
このことについては2014年11月15日 の「腸が整うと脳もいきいき!」、11月16日の「脳と腸の元気のための栄養素とは」に詳しく書いてありますので、そちらもお読みください。
*「腸が整うと脳もいきいき!」
*「脳と腸の元気のための栄養素とは」
*参考:ジュリー・マシューズ著・大森隆史監修・小澤理恵訳「発達障害の子どもが変わる食事」(青春出版社)
やっぱりスゴイ、その理由
「○○は健康に良い」と言われて流行する食品はたくさんあります。しかしブームが去っていつの間にか忘れ去られるものの方が多いのが現実でしょう。そんな中でニンニクや発酵食品などのように何千年、何百年と「健康のために良い物」として食べ続けられているものの持つ力を利用しない手はないのです。
発酵食品の中には、酸っぱいものや特有の風味のあるものがありますので、食べられるものから少しずつ取り入れて行くと良いでしょう。
●記事の内容はいかがでしたでしょうか?●
もし当記事を読んで少しでも興味をもっていただけましたら、はてなブックマークやツイッター等でシェアをお願い致します。非常に励みになります。

最近の記事
- 2017年4月18日
- ADHD 対応
- 怒鳴ったり、叩いたりは逆効果! 関連
- 2017年4月4日
- ADHDと栄養
- ホスファチジルセリンを食べると、どうなるの? 関連
- 2017年3月21日
- ADHDと栄養
- ご存知ですか?ホスファチジルセリンの多彩な働き 関連